2018年12月25日火曜日

歯周病細菌検査

こんにちは。
ウケデンタルオフィスの本吉です。

今日は歯周病細菌検査についてのお話です。

概要は当院のホームページに記載しております。
https://www.ukedental.com/perio/pcr

当院ではご希望のある方を対象に細菌検査で歯周病原細菌を調べています。



歯磨きを頑張っているにも関わらず、歯周病になってしまった方はいらっしゃいませんか?
そんな方は歯周病菌のなかでも特に悪さをする菌をお持ちの可能性があります。

悪性の強い菌をお持ちの方は、そうでない方以上に歯周病に気を付けていかなければなりません。
歯周病になって歯を失わないためにもしっかり検査を行ってご自身のリスクを把握していただき、歯ブラシの行い方をご指導させていただいたり、メインテナンスの間隔を短めに設定したりなど、徹底的に管理していく必要があります。

当院では5種類の菌を調べております。

  • Porphynomonas gingivalis(P.g菌)
  • Treponema denticola(T.d菌)
  • Tannerella forsythensis(T.f菌)
  • Actinobacillus actinomycetemcomitans(A.a菌)
  • Prevotella intermedia(P.i菌)

  • 具体的にどんな菌かと申しますと・・・

  • Porphynomonas gingivalis(P.g菌)
  • 非運動性のグラム陰性偏性嫌気性桿菌と呼ばれています。
    表面には線毛と呼ばれる付着装置があり、他の細菌や歯肉溝上皮に付着し、ポケット内で踏みとどまることができます。また、P.g菌は上皮細胞内に侵入することもわかっています。SRPの効果の及ばないところに生息しているということは再感染の温床になるので、レーザー治療を行い、細胞内に入り込んだ細菌にもアプローチしていく必要があります。

  • Treponema denticola(T.d菌)
  • 歯周病菌リストのなかの唯一のスピロヘータで、らせん状の運動性菌です。
    組織への侵入性があり、マクロファージの抗原提示作用を邪魔したり、抗体やコラーゲンなどを分解する能力があります。

  • Tannerella forsythensis(T.f菌)
  • 非運動性のグラム陰性偏性嫌気性桿菌と呼ばれています。
    システインプロテアーゼなどの蛋白分解酵素を持っており、病原性が強いと考えられています。

  • Actinobacillus actinomycetemcomitans(A.a菌)
  • 非運動性のグラム陰性通性嫌気性桿菌と呼ばれています。
    線毛を持ち組織侵入性があり、病原性が強いといわれています。内毒素のほか、貪食細胞をやっつけてしまうロイコトキシンという毒素や細胞膨化致死毒素を持っています。

  • Prevotella intermedia(P.i菌)
  • 非運動性のグラム陰性偏性嫌気性桿菌と呼ばれています。
    内毒素や脂質を分解するリパーゼ、抗体やコラーゲンなどの蛋白を分解するプロテアーゼを持ちます。また、エストラジオールやプロゲステロンのような女性ホルモンを餌にできることが特徴です。そのため妊娠時に歯肉溝滲出液中で女性ホルモンが増えてくるとP.i菌の増殖が起こり、妊娠性の歯肉炎の原因になると考えられています。

    どういった細菌がどれぐらいいるかを知ることで歯周病は予防できます。
    ご興味ある方はスタッフまでお声がけください。





    2018年12月8日土曜日

    クラックと虫歯

    ウケデンタルオフィスの中野です。


    歯と歯の間は虫歯になりやすい箇所です。

    その理由として、磨きにくい場所だから…歯ブラシだけでは汚れを落せない場所なのです。
    歯間ブラシやデンタルフロスの使用が欠かせません。

    しかし、よく磨けているにもかかわらず、虫歯になってしまうパターンがあります。

    なぜでしょうか。

    拡大鏡を使ってよーくみてみると、歯に微小なクラック(ヒビ)が入っていることがあります。
    そのクラックが原因となって虫歯になってしまうことがあるようです。

    いちど入ってしまったクラックは治せませんが、
    『むし歯になりやすい場所がある』ことを把握して管理しているだけで、
    むし歯の進行を抑えられるかと思います。


    なかなかご自身ではお口の中の状況が分からないかと思いますので、
    いちど歯科医師や歯科衛生士のチェックを受けることをおすすめします。